奄美 徳之島民謡傑作集
テープ番号:R82A043
演唱者:
録音地域:
録音日1:1982/12/21
録音日2:
録音日3:
備考1:市販のもの セントラル楽器
備考2:
備考3:歌詞カード添付 CD:60分テープのためCDは1枚に収録
R82A-043 奄美 徳之島民謡傑作集
A面
一、亀津朝花 唄 三味線 福田喜和道(亀津)
一、エーヘーイ 朝花に惚(ふ)りて
吾(わ)きゃや振(ふ)い捨ててぃ
花ぬ萎(さお)れれや 吾(わ)きゃ事思(くとおも)ぶしゃれ
二、エーヘーイ 島や何処(だー)ぬ島んま
変るんどや無(ね)しが
水(みぢぃ)に分かされて 言葉ぐゎぬ違(ち)ごて
三、エーヘーイ 旅や浜宿(はまやど)い
草ぬ葉どぅ枕
寝てん忘ららぬ 吾家(わや)ぬ御側(うすば)
四、エーヘーイ あがてんげぬ島なん
吾きゃ親(うや)や置(う)ちゅうち
宵下(よねさが)いなれば 吾きゃ親(うや)見り欲(ぶ)さんで
(三分十七秒)
二、みち節(二上り) 唄 三味線 広田勝重(花徳) 唄 信英子(〃)
一、ハレー 夜中(ゆなか)目ぬ覚めて 寝(ねぶ)ららぬ時や
(囃子)寝(ねぶ)ららぬ時や
御火(うまち)取い寄せて アレ吹きゅるマタ煙草(たばく)〱
二、ハレー 煙草(たばく)てぃなん草や 苦草(にぎゃくさ)どぅやしが
(囃子)苦草(にぎゃくさ)どぅやしが
うれ吹きゅる 愛人(むじょ)や あれ勝(まさ)てマタ愛(かな)しゃ〱
三、ハレー 深谷(ふかざく)ぬ竹(がら)や 節(ふし)並(な)らでぃ立ちゅうり
(囃子)節(ふし)並(な)らでぃ立ちゅうり
五、六人ぬ兄弟(きょでい)ぐゎ アレ立ちマタさるた〱
四、ハレー 芭蕉水(ちんごみじ)溜(た)めてぇ家戸(やど)走(ばし)り濡(ぬ)らち
(囃子)家戸(やど)走(ばし)り濡(ぬ)らち
加那(かな)が参(も)ゆん夜(ゆる)や アレ家戸(やど)ぬマタ易(や)しく〱
(三分二十一秒)
三、三(み)京(きょ)ぬ後(くし) 唄 三味線 福田喜和道(亀津)
一、三(み)京(きょ)ぬ後(くし) 難行(なんぎょう)なん 一声(ちゅくい)鳴きゅん鳥(とい)ぐゎ ヤレコーレ
声(くい)や聞(き)きゃるしが 真肌(まはだ)見ららん アラへイエーイ
二、三(み)京(きょ)ぬ後(くし) 難行(なんぎょう)なん 苦水(にがみじ)ぬあんてんど ヤレコーレ
夫(うと)振(ふ)るんで女子(わなご) うりし浴(あめ)さ アラヘイエーイ
三、三(み)京(きょ)と石切溜(いしきる) 何(ぬ)ぬ情(なさけ)ぬあたんが ヤレコーレ
よごねがさ筵(むしろ) 敷(し)ちゃる情(なさけ) アラヘイエーイ
四、彼奴(あま)見りば山ぐゎ 此処(くま)見りば山ぐゎ ヤレコーレ
山ぐゎべど見らる 三京ぬ島ぐゎ アラヘイエーイ
(二分三十二秒)
四、島かんちみ 唄 三味線 広田勝重(花徳) 囃子 信英子(〃)
一、愛(かな)さん役目(やくめ)に 水(むじ)盛(む)ゆん時(とき)や 金縁綾茶碗(きんぶちあやちゃぢゃわん)なん
(囃子)ウネウネー
水や流れ川(はいこ)ぬ清水(きゅらむじ)盛(む)んしょれよ 金縁綾茶碗(きんぶちあやちゃぢゃわん)なん
(囃子)ウネウネー
水や流れ川(はいこ)ぬ清水(きゅらむじ)盛(む)んしょれよ ヒノヨーヤーレ―
(囃子)ヒノヨーヤーレ―
二、憎(ほご)さん人(ちゅう)に水盛(む)ゆん時(とき)や 浅黒(あさぐー)る汚(ゆぐ)れ茶碗(ちゃわん)に
(囃子)ウネウネー
水や原(はる)ぬ路ぬ溜水(たまりみじ) 浅黒(あさぐー)る汚(ゆぐ)れ茶碗(ちゃわん)に
(囃子)ウネウネー
水や原(はる)ぬ路ぬ溜水(たまりみじ) ヒノヨーヤーレ―
(囃子)ヒノヨーヤーレ―
三、恐(おと)ろか処(どん)や政所(まんどころ)ぬ厳(きび)し役目(やくめ) うれよりも恐(おと)ろか処(どん)や
(囃子)ウネウネー
船底(ふなしょこ)改(あらた)め 荷物(にもち)ぬ繰(く)り上げど ヒノヨーヤーレ―
(囃子)ヒノヨーヤーレ―
四、何処(だー)から参(いも)ゆんが 色白(いるじる)姉(あせ)っくゎ 飯(はん)米(め)ぬ足らだなしゅうて
(囃子)ウネウネー
飯(はん)米(め)ぬ足らだな飯米ぬ 不足(たれ)取りが 飯(はん)米(め)や吾が請(う)けやぁしが
(囃子)ウネウネー
吾二人(わったり)原(はる)行(い)ぢ 昼山焼こぅや ヒノヨーヤーレ―
(囃子)ヒノヨーヤーレ―
(三分二十三秒)
五、うっしょ原風 唄 三味線 福田喜和道(亀津)
一、ハレ 盛(もい)高さ
ハレ 大谷(ふーだに)盛(もい)ぐゎぬ盛(もい)高さ
ハレ 大谷(ふーだに)盛(もい)ぐゎぬ盛(もい)高さ
二、ハレ 音(うと)高さ
ハレ 福美主(ふくみしゅ)まんぐゎた音(うと)高さ
ハレ 福美主(ふくみしゅ)まんぐゎた音(うと)高さ
三、ハレ 誰(でん)が良(いう)ちゃんが
ハレ いんだぐゎとまんぐゎと誰(でん)がいぅちゃんが
ハレ いんだぐゎとまんぐゎと誰(でん)がいぅちゃんが
四、ハレ まんぐゎぢゃろ
ハレ いんだぐゎや歯浮(はうち)上(あ)あげて まんぐゎぢゃろ
ハレ いんだぐゎや歯浮(はうち)上(あ)あげて まんぐゎぢゃろ
五、ハレ 砂糖(さた)成らんど
ハレ 古仲徳(くちょとく) 南俣黍(なんまたうぎ) 砂糖(さた)成らんど
ハレ 古仲徳(くちょとく) 南俣黍(なんまたうぎ) 砂糖(さた)成らんど
六、ハレ 手(てい)や打ちまんこい
ハレ 砂糖搾車処(くるまんどぅ)ぬかめ女(じょ)ぐゎた 手や打ちまんこい
ハレ 砂糖搾車処(くるまんどぅ)ぬかめ女(じょ)ぐゎた 手や打ちまんこい
六、ちょうきく 唄 三味線 広田勝重(花徳)
一、エーイ ちょうきくよ
アレ 何処(だー)から参(いも)ゆんが ちょうきくよ
アレ 何処(だー)から参(いも)ゆんが ちょうきくよ
エーイ 薤(らっきょ) 打ちが
アレ 三京(みきょ)ぬ山かち薤(らっきょ) 打ちが
アレ 三京(みきょ)ぬ山かち薤(らっきょ) 打ちが
二、エーイ 薤(らっきょ) 作(ち)くんな
アレ 三京(みきょ)ぬ山なんや薤(らっきょ)だ作(ち)くんな
アレ 三京(みきょ)ぬ山なんや薤(らっきょ)だ作(ち)くんな
エーイ 骨(ふね)散(ち)ちらち
アレ ちょうきく まんきく骨(ふね)散(ち)らち
アレ ちょうきく まんきく骨(ふね)散(ち)らち
(二分三十七秒)
七、全島口説(くどき) 唄 三味線 広田勝重(花徳)
一、島ぐゎぬ太(ふて)さや 徳之島(とぅくぬしま)
浜ぐゎぬ長さや 長浜よ
浦ぐゎぬ深さや 鹿浦(しきゃうら)ど
坂(ひら)ぐゎぬ高さや しぬき坂(びら)ぐゎ
盛(もい)ぐゎぬ清(きゆ)らさや いさんだ盛(もい)ど
二、いさんだ盛(もい)ど
村ぐゎぬはい散り処(どぅ)や 伊仙村ど
馬(ばく)喰(ろ)ぬ沢山処(まんどんどぅ)ば 伊仙馬喰
海老角牛(いびじの)ぬ出来(でき)清(きゆ)らさや 検福(くえんぼ)村ど
名覇(なは)旅近きゃさん処(どん)や 面縄(うん)ぬ村ど
遊(あ)しで珍(めぢ)らしゃ 喜念(きねいん) 目手久
三、喜念・目手久
浜ぐゎぬ清(きゆ)らさや 本川浜(ほんごはま)ど
浦ぐゎぬ長さんば 本川(ほんご)ぬ村ど
役手(やくて)ぬ沢山処(まんどんどん)や 亀津やしが
御飯(うはん)ぬ薄(ふ)しさんば 亀津やんきち飯(はん)
四、亀津やんきち飯(はん)
坂(びら)ぐゎぬ高さや 秋津坂(あきちゅひら)ど
寺ぐゎぬ清(きゆ)らさや 和瀬(わせ)ぬ寺ど
池(いき)ぐゎぬ太(ふて)さや 諸田(しょだ)ぬ池(いき)ど
縮毛頭(ちゅっきよろ)ぬ沢山処(まんどろどう)や 神之嶺(かんに)縮毛頭(ちゅっきよろ)
擔(かて)売り沢山処(まんどろどう)や 井之(いーの)ぬ擔(かて)売り
五、井之ぬ村よ
辛蛸(からとんで)取れ易(や)し処(どん)や 久志ぬ村ど
蓑笠(みのかさ)作(ちく)ゆん処(どん)や 母間ぬ村ど
村ぐゎぬ長さんば 母間ぬ村ど
畳ぬ出来清(きゆ)らさや 花徳(けと)ぬ畳
米ぐゎぬ出来易(や)し処(どう)や 轟(とどろき)ど
美人(きゅらむん)ぬ沢山処(まんどろどう)や山(さん)ぬ村ど
美人(きゅらむん)ぬ抱き易(や)し処(どう)ば 山(さん)ぬ村ど
六、山(さん)村よ
岬(みさき)ぬ長さや 金見岬(かなみみさ)
蘇鉄(すてち)ぬ沢山処(まんどろどん)や 手々(てて)ぬ村ど
稲慴(しるし)ぬ太(ふて)さや 与名間(よなま)稲慴(しるし)
地豆ぬ取れ易(や)し処(どう)や 松原ど
蚊(かぢゃん)ぬ沢山処(まんどろどん)や 前野蚊(めぬがぢゃん)
七、前野(めぬ)村よ
田袋ぬ清(きゆ)らさや 岡前田袋(つわーじんたぶく)
塩(ましゅっ)ぬ炊き易(や)し処(どん)や湾屋(わにや)ぬ村ど
喧嘩牛(とれうし)出(い)ぢゃしゅん処(どう)や 浅間村ど
青年ぬ沢山処(まんどろどん)や 阿布木名(あぶきな)村ど
村々入り混(く)み処(どう)や 平土野(へとの)村ど
八、平土野村よ
竹藪沢山処(まんどろどん)や 兼久(かねく)村ど
眺めて清(きゆ)らさや 犬之丈蓋(いんぬじょうふた)
村ぐゎぬ狭(せば)さや 大津河(ふちこ)村ど
使牛斗(つけうしと)ろしゅん処(どう)や 瀬滝(せたけ)村ど
九、瀬滝村よ
川ぐゎぬ太(ふて)さや 秋利神(きぎやん)川ど
坂(びら)ぐゎぬ高さや うしこ坂(びら)ぐゎ
松(まち)ぐゎぬ立ち清(きよ)らさや 阿木名(あぎな)ど松
芭蕉沢山処(ばしややままんどろどん)や 小島(こじま)村ど
暗川(くらご)ぬ流れてん処(どん)ば 小島暗川(こじまくらご)
十、小島暗川
霧霞(きりかし)下(う)れゆん処(どう)や 糸木名(いちゆきな)ど
朝飯遅(ねいしやるどんな)さ処(どん)や 河地(こうち)村ど
牛ぐゎぬ原(はる)繋(ちな)ぎや 崎原(さきはる)ど
漁夫(くだか)ぬ沢山処(まんどろどん)や 上晴漁夫(とばるくだか)
麦豆(ひぎまめ)出来易(や)し処(どう)や 犬田布(いんたぶ)村ど
くりぃから南(はい)から呼(ゆ)で抜(ぬ)けら
十一、呼で抜けら
沢山処(まんどろどん)金持ちや 阿権(あごん)ぬ村ど
たーむぢ出来易(や)ぢ処(どう)や 白井(しり)と中山(ねま)ど
村ぐゎぬ浮上り(うちあが)り処(どう)や 尾母(おも)ぬ村ど
塩(ましゆ)ぬ足ぢなさん処(どん)ば 尾母ぬ村よ
くりぃから北(ねし)かち呼(ゆ)で抜けら
十二、呼で抜けら
坂(びら)ぐゎぬ高さや 八重竿坂(やえじーびら)ど
生姜(しょうが)ぬ出来易(や)し処(どん)ば 八重竿坂(やえじーびら)ど
水ぐゎぬ清(きゆ)らさや 三京(みきょ)と石切溜(いしきゅる)
荒畑突(あれほってち)っき上(あ)げ処(とろ) 美名田(みなだ)・石原(いしゃら)
烏(からすぬ)宿とり処(どう)や 当部(とうべ)村ど
烏(からすぬ)宿とり処(どう)や 当部(とうべ)村ど
(六分五十五秒)
B面
一、一切(ちゅつきやい)節 唄 三味線 福田喜和道(亀津)
一、はやたる一切(ちゅつきやい)節 二切(たつきやい)成(な)さるとや
アネ 二切(たつきやい)成(な)さるとや
一切(ちゅつきやい)や加那(かな)が為 一切(ちゅつきやい)や吾(わ)が為だ
アネ 一切(ちゅつきやい)や吾(わ)が為だ
二、加那(かな)が縁(いん)ぐゎと吾きゃが縁(いん)ぐゎと
竹節(がらんぶし)なん込(くぅ)みぃて
アネ 竹節(がらんぶし)なん込(くぅ)みぃて
竹節(がらんぶし)ぬ横割(ゆこわ)れしゃんて 縁(いん)ぬ道切りなるめ
アネ 縁(いん)ぬ道切りなるめ
三、三味線(さむしる)ぬ女弦(めづる)ぐゎや 切りてま繋(ち)がるしが
アネ 切りてま繋(ち)がるしが
加那が縁ぐゎと吾きゃが縁ぐゎや
切りてか繋(ち)ぎならんでぃ
アネ 切りてか繋(ち)ぎならんでぃ
四、ハレ下(く)だい走(は)る水(みじ)な 桜花(さくらばな)浮(う)きぃて
アネ 桜花(さくらばな)浮(う)きぃて
ハレ 愛女(むじー)が手し取(とう)たい
吾きゃが手ぐゎし取たい
アネ 吾きゃが手ぐゎし取たい
五、別れてや行きゅん加那(かな)に 何(ぬ)ぬ形見呉(く)いるんが
アネ 何(ぬ)ぬ形見呉(く)いるんが
生爪(なまづめ)やハレ剝(はが)ち 形見呉(く)れ欲(ぶ)しゃや
アネ 形見呉(く)れ欲(ぶ)しゃや
(三分二十一秒)
二、ぎーくん坊 唄 三味線 福田喜和道(亀津)
一、可哀想(きもちげ)さ ヨーイ
新里晴(あらとんはり)ぎーくん坊が可哀想(きもちげ)さ
二、白死体(しる) 浮(う)きゃし ヨーイ
帆前舟(ほまわい) 加勢(かせ)しゅんち 白死体(しる)
三、思い泣きヨーイ
舟ぬ舟頭どんが思い泣き
四、鳴きゅん鳥ぐゎ ヨーイ
船ぬ艫(とも)なて鳴きゅん鳥ぐゎ
(一分三十二秒)
三、正月唄 唄 太鼓 福田喜和道(亀津)
一、アレー ソラヨイヨイー
アレ 正月前(めん)ぐゎやなるい 働けよ姉妹(うない)
しの巻きと糸繰機(はた)と主(ぬし)と三人(みちゃい) ヨンノ
アレ しの巻きと糸繰機(はた)と主(ぬし)と三人(みちゃい) ヨンノ
二、アレ 元日(がんぢち)ぬ朝(しかま)
床間(とこ)向(むこ)うて見りば
裏(うや)じるとゆじる飾(かだ)い清(ぎ)らさ ヨンノ
アレ 裏(うや)じるとゆじる飾(かだ)い清(ぎ)らさ ヨンノ
三、アレ 此(こ)ぬ正月取れば吾(わ)きゃや育(ふで)てきゅんで
歳(とし)寄(ゆ)るんでぃ親(うや)ぬ事(くと)ど思(お)めんで ヨンノ
アレ 歳(とし)寄(ゆ)るんでぃ親(うや)ぬ事(くと)ど思(お)めんで ヨンノ
四、アレ 六十一願(ねご)て 七十三や願(ねご)て
八十八願(ねご)て 九十九(くんじゅく)まで ヨンノ
アレ 八十八願(ねご)て 九十九(くんじゅく)まで ヨンノ
五、アレ 酒欲(ふ)さちあらんで 酒肴(しゅくえ)欲(ふ)さちあらんで
君(うい)が御情(おんなさけ)し 吾(わん)此処(くま)来たんで ヨンノ
アレ 君(うい)が御情(おんなさけ)し 吾(わん)此処(くま)来たんで ヨンノ
(二分四秒)
四、持ち貰い唄(ドンドン節) 唄 三味線 広田勝重(花徳) 唄 信英子(〃) 唄 徳テイ(〃) 太鼓 原田幸二(〃)
一、餅給(たぼ)れ〱 祝(ゆえ)ぬ餅給(たぼ)れよ
給(たぼ)らだぁてからや 手柄(てがら)せんど
ハラドンドンセ セマイトセンセ(囃子言葉以下略)
二、今日(きゆ)ぬ誇(ほこ)らしゃや 何日(いち)よりも勝(まさ)りよ
何日(いち)も今日(きゆ)ぬ如(ごと)に あらち給(たぼ)れ
三、餅欲(ふ)さゃちあらんど御飯(うばん)欲さゃちあらめよ
元(もと)ぬ親先祖達(うやふんきゃ)ぬ 真似(まね)どせんど
四、奥方(あみしやれ)が餅や 青香(あおかば)さ美味(うま)さよ
うれが恩(うん)ぬ声(くい)や 踊て差上(うせ)ら
五、花徳(けど)ぬ為(ため)清主(きよしゅ)や 米ぬ親(うや)ち言うしがよ
餅貰(もれ)えが行(い)ぢゃっと ちんちき給(たぼ)ち
六、池(いき)な水(みじ)溜(た)めて 水路(いんじょ)下(こ)だい張らちよ
来年(やね)ぬ稲加奈志(いにがなし) 眭枕(あぶしまくら)
七、三間家(さんげんや)や建てて 二間に三間いせてよ
明(あが)い障子立てて 匂(にお)い香(かば)さ
八、やがて秋利神(あきぎゃん)から 餅貰(もれ)えが来ゆしが
如何(いきやん) あたらさ物(むん)ぐゎま一つ給(たぼ)れ
九、大島七間切(まぎり) いきど一間切(まぎり)よ
永良部 鳥島(といしま)ぬ次や大和(やまと)
十、どんどん節がはやる 赤木名(あかきな)がはやるよ
やがて君(やん)ぬ島ゆ うちはやるよ
(二分四十五秒)
五、手々の枕節 唄 福山米(手々) 唄 中島信(〃) 太鼓 福山忠則(〃)
一、まくらくらまくら 物(むん)だん言うなまくら
加那(かな)が仲、吾仲(わなか) 言(いゆ)な まくら
ハレガヨーサト ナーイキャシュンガ(囃子言葉以下略)
二、加那が家(や)と吾家(あや)と 軒(のき)一つ離(はら)ち ヤレクリ
加那が顔見つあろ 吾顔(わかを)見(み)ちゃり
三、唄まめぎまめぎ あらば行て語(かた)ら ヤレクリ
年が取らと思(も)て 吾唄(わうた)まめぎ
四、年も頼(たん)げるな 他人(よそ)も頼(たん)げるな ヤレクリ
村ぬ一人(ちゅい)と思(も)て 遊(あす)で給(たぼ)れ
五、村ぬ一人(ちゅい)と思(も)て 遊(あす)ばぬちすれば ヤレクリ
吾声ぐゎぬ悪(や)さぬ 遊びなゆめ
(二分三十一秒)
六、花徳の枕節 唄 三味線 広田勝重(花徳) 囃子 信英子(〃)
一、まくらくらまくら 物(むん)だ言うなよ まくらやヤレコノ
(囃子)まくらやヤレコノ
加那(かな)が仲 吾仲(わなか) 見よいまくら
ナリガヨーサト ナーイキャ シュンガ シュンガ
(囃子)ナリガヨーサト ナーイキャ シュンガ シュンガ(囃子言葉以下略)
二、この遊びかかて 家(や)から戻(むど)らゆね ヤレコノ
(囃子)なゆむぃヤレコノ
遊ぶ時やちゅんま 解(と)けて遊ばよ
三、島々ぬ兄弟達(きょでんきゃ) 初行逢(はついきゃあ)どやしが ヤレコノ
(囃子)やしがヤレコノ
又行逢(またいきゃあ)ど節(しち)ぬあらば又(また)拝(うが)ま
四、親(うや)がなしぬ御蔭(うかげ) これ程に成長(ふて)てぃ ヤレコノ
(囃子)ふでてヤレコノ
親(うや)ぬ事(くと)や 粗相(そそ)だ思(う)めんなよ
五、道端ぬさしや 袖振りばかかる ヤレコノ
(囃子)かかるヤレコノ
吾きゃもさしなとて かかり欲(ふ)しゃ
(二分四十四秒)
七、子守唄 唄 元村徳満(花徳)
ヘンヨイヨーイノ良い黄金(くがね) 泣くなくなヨー坊(ぼん)ぐぇ
吾(わん)が守(も)らば泣くなよ 泣くなくなヨー坊ぐぇ
明日(あちゃ)からぬ明後日(あしゃて) 吾叔母(わうば)ぐゎが嫁入(ねびき)〱
捕(と)ったら蛙(びつきゃ)ぐゎ七(なな)ち 食(く)ちゅて婚礼(ねびき)〱
君(うい) 夫婦(とじゅ)と召上(みきゃ)げれよ 吾きゃや結構(かふ)ど〱〱
ヘンヨイヨーイノ良い黄金(くがね) 泣くなくなヨー坊ぐぇ
めーとく田袋(ぶーく)ぬめんちゃ加那(がな)
山躑躅花(ゆだくらばな)にちん惚(ふ)りてぃ〱
百合(ゆい)ぬ花にちん惚(ふ)りてぃ
大和(やまと)か下(くだ)たん はやかけ鳥ぐゎぬうけ鳥ぐゎ
めーとく田袋(ぶーく)請(うけ)て
ぐらん田袋(たぶく)な請(うけ)て いきん田袋(たぶく)な請(うけ)て
まんなぬ鳥ぐゎぬ言ちゃん事(くと)や
で吾きゃ〱羽ぐゎめで遊(あし)ば 用心(しょうで)たれて遊ば
ヘンヨイヨーイノ良い黄金(くがね) 泣くなくなヨー坊ぐぇ
(二分十秒)
八、前原口説(めーばゆくどき) 唄 三味線 米川正夫(亀津)
一、島ぬ太(ふて)さや 徳之島
村ぐゎぬ清(きゆ)らさや 亀津村(かみじむら)ぐゎ 村ぐゎぬ狭(きじや)さや 検福(くぇんぼ)村ぐゎ
検福前原坊(めーばるぼう)や 牛好きゅん人(ちゅ) 前原牛ぐゎや 違(ちご)とん牛
二、違(ちご)とん牛ぐゎ
兄(しいだ)ぬ仲信坊(ぼう)や 草刈れよ
弟ぬ広行坊や 牛ぐゎ浴(あ)みし 妹(うない)ぬ千代女(ちゆじょ)や 気張(きは)て食(かま)せ
三、気張(きば)て食(かま)せ
親ぬ前原坊や 御用(ぐゆう)だれんど 亀津村かち御用だれんど
五(いち)ヶ所殿加奈志(とろとのがなし) 御用だれんど 三役主加奈志(しゅがなし) 御用だれんど
四、御用だれんど
三役主加奈志(しゅがなし)ぬ 申(もう)るん事(くと)や 今度(くんで)ぬ御用や 外(ふか)やあらぬ
八月十五夜 牛やらせ 麦穂峰(むんぎゃま)ずぅまぐゎと 相手なたんど
五、相手なたんど
さてむ子(くわん)きゃ子(くわん)きゃ 今(なあ)たんで さてむ父(あじゃ)、父(あじゃ) 何(ぬー)うちゃたんが
さてむ子(くわん)きゃ子きゃ 心配(しわ)いらぬでぃ
麦穂峰(むんぎゃま)ずぅまぐゎと 相手っちちゃんど
六、相手っちちゃんど
兄弟揃(うとんぢゃまそろと)てぃ 気張(きば)てぃ食(か)ませ とんと十三日 なりたんど
一族親類共(ちゃうやつくわきょでんきゃ) 打(う)ち揃(そろ)て 亀津出発(うったち)ぬ 談合(だんご)ぐゎだれんど
七、談合だれんど
亀津前浜(めーはま) としけたんど 南(はい)ぬ片方や 小石原
親ぬ前原坊や 物(むね)知らら 麦穂峰(むんぎゃま)ずぅまぐゎや 見(に)んち参(いも)れ
八、見(にん)ち参(いも)れ
とんといじ見(にん)ち 帰(かい)てちゅて
さてむ子(くわん)きゃ子(くわん)きゃ 斗(とろ)しならんで 骨ぐゎぬ五割(いちわり)や 太(ふて)さんてや
肉(しし)ぐゎぬ五割(いちわり)や かさどんどぅや 前原牛ぐゎや 牝牛牝牛(うなんぐて)ぐゎ
九、牝牛牝牛(うなんぐて)ぐゎ とんと十五日 なれたんど
前原牛ぐゎぬ する事(くと)や 南(はい)ぬ片方じ 向場(にけば)とて
麦穂峰ずぅまぐゎぬ する事や 空川(からこ)ぬ下(さあ)なんて 向場(にけば)とて
十、向場(にけば)とて
太陽(てだ)ぬ上(あが)いんや 牛ぬきょち 太陽(てだ)ぬ真中(まんな)いぢ 勝負つかんど
五(いち)ヶ所殿加奈志(とろとのがなし) 申(もう)るん事や 今度(こんで)ぬ勝負や でんが勝ちそぅ
十一、でんが勝ちそぅ 麦穂峰(むんぎゃま)ずぅまぐゎぬ 勝ちそぅだれん
前原牛ぐゎぬ 負(め)いそぅだれん 五(いち)ヶ所殿加奈志(とろとのがなし) 手舞足舞(てまいさーまい)
三役主加奈志(しゅがなし) 手舞足舞(てまいさーまい) 亀津青年(にせ)きゃんま 手舞足舞(てまいさーまい)
十二、手舞足舞(てまいさーまい)
妹(うない)ぬ千代女(ちゆじゅ)が する事(くと)ぬ 牛ぬ三巡(みまわ)り 巡(め)ぐりたれば
さてむ牛、牛 気張れ牛ぐゎ 此処(くま)なんて負ければ 恥ど牛
十三、恥ど牛
一跳(ちゅは)ね、跳ねれば 腹帯締(はるびじめ) 二跳(たーは)ね、跳ねれば水(みじ)くんまで
三跳(みは)ね、跳ねれば 牛ぬ鼻 四跳(ようは)ね、跳ねれば 跳(は)ね退(ぬ)きて
十四、跳(は)ね退(ぬ)きて
妹(うない)の千代女が 言うん事(くと)や 五(いち)ヶ所殿加奈志(とろとのがなし) 目や覚めて
三役主加奈志(がなし)んま 目や覚めて 前原牛ぐゎぬ手さき 見(にち)ゃみ
十五、手さき見(にち)ゃみ 五(いち)ヶ所殿加奈志(とろとのがなし) 擔廃(きろすた)て
三役主加奈志(がなし)んま 擔廃(きろすた)て 亀津青年達(にせきゃ)んま 擔廃(きろすた)てぃ
十六、擔廃(きろすた)てぃ
親ぬ前原爺様(ふつしゅ) 手舞足舞(てまいさーまい) 兄(しいだ)ぬ仲信坊ば 手舞足舞(てまいさーまい)
弟(うつと)ぬ広行坊ば 手舞足舞(てまいさーまい) 一升ぬ御酒(うさけ)や 手盛(てもい)酒ぐゎ
十七、物申(むんし)らら
前原牛ぐゎぬ 勝ち祝へどぅ
前原牛ぐゎぬ 勝ち祝へどぅ 検福村から 御供(うとも)せらで
(七分四十六秒)