鎌倉芳太朗資料集

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沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館
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鎌倉芳太郎資料の公開に寄せて沖縄県立芸術大学附属研究所所長 波照間永吉

鎌倉芳太郎(1898~1983年)先生が、大正末から昭和初期に沖縄現地で収集された琉球・沖縄芸術関係資料は、1986年の沖縄県立芸術大学の開学を記念した第1次寄贈以来、2007年の第4次寄贈までを中心に、そのほとんど全部が先生のご遺族から沖縄県民のもとへ贈られた。このうち、沖縄県立芸術大学に寄贈された資料はいわゆる「鎌倉資料」の名で沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館に所蔵されている。その数は、重要文化財に指定されたガラス乾板1229点、台紙付紙焼き写真851点、調査ノート81点を筆頭に、写真資料(紙焼き写真)2952点、文書資料(原稿・筆写本・他)178点、紅型資料(型紙・他)2154点、陶磁器資料67点で、その総数は7512点という膨大なものである。 沖縄県立芸術大学附属研究所ではこれらの資料を琉球・沖縄の芸術・文化の研究者のみならず多くの方々に利活用していただくため、『沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館所蔵 鎌倉芳太郎資料目録集』(1998年)を刊行し、その後、紅型資料の中心をなす紅型型紙1414枚について、『鎌倉芳太郎資料集 第一巻 紅型型紙(一)』(2002年)『鎌倉芳太郎資料集 第二巻 紅型型紙(二)』(2003年。柳悦州教授担当)、重要文化財に指定された、「琉球芸術調査」に際して作成された「鎌倉ノート」を活字化した『鎌倉芳太郎資料集 ノート篇Ⅰ 美術・工芸』(2005年)、『鎌倉芳太郎資料集 ノート篇Ⅱ 民俗・宗教』(2006年。波照間永吉担当)を刊行してきた。 その後も、多くの人々の鎌倉資料の活用をはかるために、活字化や電子情報媒体を利用した方法による資料の公開について取り組んできた。二、三、例を挙げると、科学研究費補助金を受けた「鎌倉芳太郎資料の画像データベース構築・公開とその応用的研究」(研究代表:波照間永吉。平成19~23年。)、「鎌倉芳太郎資料画像総合データベースにもとづく発展的研究」(研究代表:波照間永吉平成24~26年)、沖縄県立芸術大学教育研究支援資金を受けた「鎌倉芳太郎新資料の調査・整理・記録」(プロジェクトリーダー:波照間永吉。平成19年)などである。

科研費による両事業は最終的には「鎌倉芳太郎資料の画像データベースを統合構築してインターネット上に公開し、さらにノート資料の写真撮影によってデジタル画像化し、これらの画像データを沖縄文化の多領域の研究者や、沖縄文化に関心を寄せる沖縄県民および国民の利用に供することを目的とする」ものであり、さらには「構築した総合画像データベースを活用し、科学的方法を導入した鎌倉芳太郎資料の琉球文化研究への活用の新たな可能性を探ろうとするものである」。  この度、科研費による事業が終了する。鎌倉芳太郎資料集のインターネット上での公開という目的が、一部ではあるが実現することが出来るようになった。今回公開されるのは、重要文化財に指定された写真資料のうち1113点、「鎌倉ノート」(№1~№40他。『鎌倉芳太郎資料集 ノート篇Ⅰ 美術・工芸』『鎌倉芳太郎資料集 ノート篇Ⅱ 民俗・宗教』に収録されたノート)、紅型型紙1414点である。多くの方々に利活用していただきたい。  附属研究所では、「紅型関係資料」「鎌倉ノート」の続刊の編集に取り組んでおり、平成26年度にはそれぞれの部分で、一巻ずつが刊行されるはこびである。これら資料集の活字化と公刊が終了した部分は、今後、順次インターネット上に公開する予定である。鎌倉芳太郎資料全体のインターネット上での公開が進展するよう取り組む所存である。

2022 年 3 月、紅型裂・図案帳編、文書編を追加公開
*執筆者の役職は公開時(2014年)のもの